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第13回 ムクナ会活動報告

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平成29年12月10日(日)東京信濃町にてムクナ会を開催しました。

日時:平成29年12月10日(日)昼食をはさんで午前11時45分から午後16時15分まで

場所:東京信濃町のスポーツカフェ チア・スサーナにて

参加者:会長 藤井義晴、広報 三浦左千夫を含め、医療関係者、教育関係者、栽培者、流通関係者、利用者及びその家族、ムクナに興味のある方など42名の参加がありました。

開会挨拶:司会 広報 三浦左千夫から開会の宣言と藤井会長やムクナとの出会いなどムクナ会がどのような経緯でスタートしたのかなどの説明がありました。また、ムクナ会の現在の取り組み等についての説明がありました。

以下、発表内容です。

会長 藤井義晴から挨拶とスライドを利用した農学研究者としてのアレロパシー研究について説明がありました。

アレロパシー(Allelopathy)「他感作用」とは:「植物が放出する化学物質が他の植物・微生物・昆虫・動物等に阻害・促進あるいはその他の何らかの影響を及ぼす現象」と説明されています。植物の持つ他感作用は、安心・安全な食べ物生産のための有機農業、自然循環型農業や環境保全に役立ちます。

編集者:アレロパシーは抗生物質と同じような概念で、薬用植物の薬用
成分の植物自身にとっての存在意義ではないかとのことです。

ムクナとはどんなものなのか、どのような種類があるのか、どんな役に立つのか、またそれを紹介してくれた最近亡くなったブラジルの日系人宮坂四郎先生との出会いなど盛りだくさんのお話がありました。

また、栽培者、利用者、販売者などが徐々に増加している現状において利用方法に関することや旧薬事法など関連法規にも留意するよう注意喚起がありました。

編集者:薬事法は、平成26年11月25日付けで、薬事法が改正され、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」になりました。

以下、参加者の発表内容等です。

高校生2名 愛媛県立伊予農業高等学校食品化学科、食品製造A班
引率:平内先生(ムクナ研究の指導をしている先生)

ムクナの有効利用のための栽培と自然農薬製造、食品製造の実験について55枚ものスライドを利用した発表がありました。
その一部を以下に紹介します。

プロジェクト名と研究計画

ムクナの自然農薬「エッセンシャルオイル」の研究の様子

ムクナボーロの製造と評価

編集者:掲載スペースの都合などで55枚のスライドのすべてを紹介できないのが残念です。内容がとても濃くしかもしっかりとした発表だったので参加者から大きな拍手がわきおこりました。

武部先生 富山県立中央農業高等学校教諭

ムクナの有効利用のための栽培実験とグリーンカーテンとして利用した時の検証結果についてスライドを利用した発表がありました。

栽培実験の様子とグリーンカーテンとして利用するための実験

ムクナの栽培実験の様子や学校の日よけとしてムクナでグリーンカーテンを作った実験の結果が報告されました。結果です。ムクナのカーテンの内部では外部との気温差が1~2℃あったとのことです。

ムクナがどこまで伸びるかの実験も実施しています。

写真では分かりにくいですが、通常の土とムクナの腐葉土で栽培の実験を行ったところ生育状況に差が出たとのことです。

編集者:緑のカーテン混植で外気温との差が近隣の小学校での実験では4℃もあったということは大変な驚きです。

羽田先生 東京理科大学 薬学部薬学科 教授
薬用植物学と生薬学、薬、漢方薬がそれぞれどのように関わっているのかについて簡単な講義がありました。

植物が持つある種の成分は、それが人に役立つものであるとしても本来は植物が他種に対抗するために持っているものでなぜそれを持つのかが興味深いとのお話がありました。
また、「自然のものは優しい」というのは偽りで、人が摂取する分量によっては薬にも毒にもなるので勘違いしないようにとの注意喚起がありました。
(編集者注:ムクナの持つL‐ドーパも本来は他種への対抗のためのものなのでその利用には注意が必要ということです。)

金井先生 鍼灸師
パーキンソン病の患者さんにムクナを食べるように進めている。男性の不妊症にも良いのではないかと考えているとのことです。

質疑応答の中で「子供が食べるにはどうすれば良いか」との質問がありましたのでムクナ会としての回答を以下に記します。

L‐ドーパの摂取を必要としている人にとってそれは重要なので体の状態に合わせた安全な摂取方法を見出すことが大切です。
しかし幼児や妊婦などにとってはL‐ドーパは強く作用し過ぎる可能性があるのでアクやL‐ドーパを十分に抜いた加工品にして食べることをおすすめします。

唐沢先生 浦安ふじみクリニックの内科のお医者様
ムクナの臨床実験の結果についてスライドを利用して発表がありました。また、結果から判断すると脳梗塞後のしびれなどに有効性を発揮する可能性があるとのコメントがありました。

対象者:手足のしびれや脱力感などがあるが、特に病気があるわけではない高齢者24名。
容量:ムクナ豆の焙煎粉末大さじ1杯を一日一回
結果:*24名中5名が中断した。
*中断しなかった者の内、2名には劇的は変化が出た。
*中断しなかった者の83%に有効性が認められた。
*ムクナは即効性が高く翌日には効果を実感することが出来る。

瀬川病とムクナの利用体験
娘さんが瀬川病でムクナを利用してすでに20年が経過している方の発表があり
ました。(この方のお嬢さんはムクナの利用を止めるとたちまち動けなくなるとの
ことです。)
小学生だった当時に利用し始めてムクナの利用量を決めるのに約半年かかったがその後はその分量でずっと安定している。
いったん利用を止めると再開しても病気の症状が安定するまでに時間がかかるとのことでした。

パーキンソン病とムクナ豆の利用体験
パーキンソン病と診断されて6年、ムクナの利用を始めて5年の男性から体験談の発表がありました。

数gの利用からスタートして現在は一回20gを一日4回。
ムクナの利用だけではなく、食事、運動、マッサージなどの対策も並行して行うことの必要性も感じそれを実践しているとのこと。
この方の奥様からは小さなことの積み重ねと継続することが大切とのコメントがありました。

(編集者注:この方の体調はかれこれ5年程見ていますが、信じられないくらいの変わり方です。ご夫婦の素晴らしい二人三脚があったからこそだと感じます。また、注意していただきたいのは、この方は試行錯誤で自分にあった適量を徐々に決めましたが、すべての人にその容量が適切とは言えません。いきなり多くの量を利用することなく時間をかけて自分自身の適量を見出してください。)

初めての参加者の皆さんにはここで簡単に自己紹介していただきました。

山口良孝先生 国際医療福祉大学成田保健医療学部・医学検査学科 講師
ムクナの素晴らしさを聞いて研究してみたいとのことです。

広報 三浦
スライドを利用して以下のように発表がありました。

自宅でのムクナの栽培の様子やムクナ豆の食べ方

ムクナ豆がどのように効果を発揮するのかのメカニズムとムクナ豆と薬の効果の出方の違いの研究例

ムクナ豆の利用にあたり注意すべきこと。

また、老齢でまともに歩けなくなった猫に食べさせたところそれぞれ元気に歩けるようになったことも紹介されました。

参加者から出たコメントをいくつか紹介します。

●頸椎のしびれや痛みを感じていた奥さんにムクナを食べさせたところがたちまちそれが消えてビックリした。また、ムクナ豆をヨタヨタした老犬に食べさせたところ元気に歩けるようになった。

●ムクナを老犬に食べさせたところ、毛並みが良くなり認知症のような症状も改善された。

●ムクナを摂取してからトレーニングすると筋肉をつけるのに有効性を感じる。

編集者:海外には筋肉増強に良いとされるムクナのサプリメントがありますが、ムクナのすべての成分についてドーピングと無関係とは断言できません。スポーツをする方は特にその点にご注意ください。

●食べ方の一例:スイトンにムクナを混ぜるととても美味しい。

編集者:ムクナ豆の利用者や栽培者、販売者が徐々に増加している現状において、今回の会合ではいくつかについて繰り返し注意喚起がありましたので従来のものも含めて記載します。

◎病気などを原因としてL‐ドーパを必要としている人がムクナ豆を摂取する場合は、その人によって摂取する適量が異なるのでいきなり大量に摂取することなどしないように。
◎特に病気の人は主治医と十分に相談した上でムクナ豆を利用することをおすすめします。
◎食用に適さない種類のムクナも存在するので食べるために栽培する場合は、必ずmucuna pruriensを選定すること。
◎幼児や妊婦など多くの人が利用する場合は、その作用が強く出過ぎる可能性もあるのでアクやL‐ドーパは抜き去ったものを加工食品として摂取することをおすすめします。
◎販売にあたっては、旧薬事法や健康増進法など関連法規に留意すること。

記念撮影:総勢42名と会場いっぱいでした。会場の広さの都合上、参加の申し込みを早期に締め切らざるを得なかったのは残念でした。

次回は平成30年春の開催を予定しています。どうぞご参加ください。

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